言葉の煙霞

言葉は、無限の可能性を秘めている。

感想の倍返しだ~vs橋本利一さん~

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 こんにちは。

 

 先日、インフルエンサーノベリストの橋本利一さんに、拙作『猫は朝霧に燃ゆ』を読んでいただきました。

 

 この方はツイッターやご自身のブログで様々な発信をしていまして、その中で『小説を読みに行く』という有償サービスを行っていました。私はそれに興味を持ち、この新型コロナウイルスで世界が混乱する中、せっせと書き上げた長編物語を読んでいただきたく、依頼をいたしました。

 

↓サービス内容はこちら

https://www.hassiy2.com/stripe-page/

 

 

 成果を受け取ってみると、1万文字にもなる、ちょっとした短編小説並みの感想をいただきました。ありがとうございます。

 本記事では、その感想に対する感想返しと橋本さんの活動について、つらつらと述べたいと考えております。

 

 先に断っておきます。

 

 この記事は、橋本さんの活動について広めたいと考えて、私の率直な気持ちを連ねたものです。したがって、「私の作品を是非とも読んでね☆」ということは考えておりません。

 橋本さんが書き上げた感想は若干(結構?)、物語のネタバレを含みますが、物語の核心までを語るようなことが書かれていないので、「どんな感想が書かれるのだろうか?」と興味を持った方がお読みいただければ幸いです。

 

 むしろ、橋本さんの感想だけを読んで。

 ただそれだけ。

 

 感想を読んだ後に、「ふーん、この小説、面白そうだな。まぁ読んでやるか」と思った方は、お時間のある時に私の物語を読んでいただけると泣いて飛び跳ねます。ただし、16万文字もあるので、多大なる時間の消費となることに、ご注意を。

 

 ということを踏まえて、感想の感想返しをします。

 

 

********

 

 

 まず初めに『なぜ私が橋本さんに物語を読んでもらったのか』。

 それについて語ります。

 

 私はツイッターを始めてまだ半年も経っていないですが(2020年7月末現在)、始めてみると、創作に関する様々な活動をしている方がたくさんいまして、正直、とても驚きました。

「小説を読みますよー」と活動している方も多数、見かけます。

 私としては、せっかく創作した物語を他人に読んでいただき、感想・批評などを頂戴したいという想いも強いのですが、まだ実績も何もなく、価値があるかもわからない自分の作品を「他人様の貴重な時間を頂戴して」読んでもらうことに、かなりの抵抗があります。

 

 もちろん、読んでいただくことはとても嬉しいですし、そもそも読んでもらうために公開しているので、興味を持たれた方は「是非、読んでね★」と心の中でいつも思っています。Web上に無償で公開しているものですから、合わなければ読む必要もないのですし、読んでいて何かしら得るものがあったのであれば、それはそれで目的を果たしたことになりますので、嬉しく思います。

 

 私には、

「自分の作った作品は、自分で価値を付与するのではなく、他人が付与するものであって、押し付けるものではない。」

 という考えが根底にあります。

 

 ですので、自分から無償で「読んでください☆」と発信するのが、それはもう畏れ多くて。

「あ、この人の作品、おもしろそうだなぁ」と、たまたま目に留まった作品を見に行って、感想なり、レビューなりを書いたことで、そのお返しに読んでいただき、感想・レビューを書いてくださる方も中にはおります。なので、お互いにプラスアルファのあるような関係が理想なのですが、現実問題、自分の時間というものは限られているので、そうそう他人様の作品を読みに行く暇がないのです。

 

 そんな中、橋本さんのツイートを拝見し、「小説を読みに行くサービス」があることを知りました。

「へぇ、こんな活動もしている方もいるんだ。依頼してみようかな」

 という気持ちになったわけです。

 

 時間をいただく=何かしらの対価を払う必要があると、私の頭の中にはありますので、きちんとした対価を払える橋本さんへ依頼してみよう。

 そのような考えでした。

 

 

********

 

 

 前置きが長くなりました。

 

 

 では、橋本さんから頂いた感想を、1つ1つ掘り下げていくことにします。

 

 

↓ 橋本さんが書いた私の作品に対する感想の全文は、こちらから読めます。

https://www.hassiy2.com/reading-story-go-5/

 

 

 有償公開をうたっていますので、かなり作者に寄り添った感想だな、という印象を受けました。個人的にはそこまでヨイショしなくてもいいよと思いましたが、素直に誉め言葉として受け取っておきます。効果は抜群です。

 

 橋本さんのサービスは以下の5つの項目に分けられて記載されていました。

 

・ストーリー

・キャラクター

・設定

・オリジナリティ

・文章力

 

 各項目について書かれた感想を、以下、感想返しいたします。

 

・ストーリー

 私が物語を書きながら心の中で伝えたいと思っていたことが、橋本さんもきちんと感じ取り、それを見事に文章で表現していました。私の物語を深くまで読み込んでくれたんだなぁと感じました。

 ご指摘の通り、本物語は朝の限られた時間の中で書けるだけ書こう、そしてそれが一つの区切りであるという形で書き続けてきました。そのため、橋本さんが仰る『読者の呼吸を意識する』という指摘は、長編物語を書く上で重要なポイントであると思いました。

 

・キャラクター

 私が提示したキャラクターの関係性と弱点を、的確に整理し、まとめていました。

 今回の小説は確かに、エンターテイメントを目指しているのか? と聞かれたらそれは微妙で、自分でも明確にジャンルを定めていない、どっちつかずな形となったことは否めません。

 また、エンターテイメントを追いかけるのであれば、主人公の立ち回りが弱いというのも事実でした。これは書いている段階でも気づいていましたが、私の力不足により、修正不能に陥りました。

 

・設定

 物語を読むだけで、私の物語を書く姿勢をここまで言い当てられるとは思ってもみませんでした。

 橋本さんは「プロットを考えて作品を作った」と仰っていましたが、実を言うと、私はプロットをそこまで深く練り上げません。この物語は最初と最後のシーンのみを決めて、執筆に走りました。途中の繫ぎ合わせのシーンは、すべて執筆しながら思いついたものです。主人公とヒロインが描く最後のシーンに対して、行動やセリフに矛盾が生じないように気を付けながら書いてはいましたが、「心の中で物語を書き続けてきた」という言葉は、言い得て妙です。私の執筆する様子を、どこかで見てましたか?(笑)

 回想シーンを描くことは難しい、という指摘は鋭いです。この物語は終盤に主人公の過去を一気に書き連ねるシーンがあります。自分でも過去と現在の行き来が煩雑だなと気付いていたため、構想の工夫がもう少し必要だなと感じた次第でございます。

 

・オリジナリティ

 私的にはこの物語はオリジナリティがあまりなく、話のネタも自分でもどこかで見たことあるなと感じながら描いていましたが、「その判断は大きく分かれる」と評価した点は「なるほどな」と思いました。

 この物語は映像化を意識して紡いだものでしたが、それが結果として目指すべきジャンルが曖昧になったことも考えられました。この点はキャラクターの項目でも触れられています。

 次回作は主人公がもっと動き回るような、そんな作品を目指したいと思いました。

 

・文章力

 これは自分が一番評価して欲しかった項目でしたが、これはちょっと褒めすぎです(笑)。効果は抜群です。そろそろ私の頭の中にある執筆モンスターも、ひん死……。

 私は仕事上、文章を書くことも多いのですが、どうにも、仕事で文章を書くときと、プライベートで物語を書く時のスイッチが、うまく切り替えられないなとたまに感じています。仕事上の文章はあまり褒められたものではないですよ(笑)

 橋本さんは「描写が鋭い」と指摘されていましたが、私が今回の物語を描く上で一番気を付けたことは、人間の『五感』を意識したことでした。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、感覚、人間が感じるものすべてを届けたい、そんな気持ちを常に頭の隅っこに置きながら執筆していました。そのことが「描写が鋭い」と受け取って頂いたことにつながったのでしょう。

 なお、『言の葉 連想辞典』には大いに助けられました。イラストから言葉を探せる新しい辞典、というキャッチフレーズです。ちょっと宣伝しておきます。この本、良いですよ。

 

 

 

 

 以上、それぞれの項目に対する感想はこんな感じです。

 ここからは全体を通して、感想を述べたいと思います。

 

 橋本さんは文章の学校にも通ってらっしゃるとのことでしたので、恐らく、毎日継続して、ものすごい量の小説を書いておられるのでしょう。文章の一つ一つが繊細で、綺麗だなと感じました。相当、書き慣れています。

 私の小説は勢いで文章を連ねることが多く、言葉をあまり選ばないで、そのまま書き上げる傾向があるのですが、橋本さんの文章はきちんと言葉が選ばれ、洗練されている印象を受けました。一文一文に重みがある文章を書ける人は、なかなかいないと思います。

 

 そして、私の依頼した作品も、かなり深くまで読み込んでおられる。これは、なかなか真似できない芸当だと思います。

 

「橋本が作品に対してどんな質問をしたところでも、きちんとした的確な返答が返ってくるに違いない」

 という一文がありましたが、「それはあなたの方だ!」と思ったり、思わなかったり。

 

 

 先日、ツイッターで知り合ったフォロワーさんに、私が書いたとある短編小説を推薦していただき、これまたツイッターで知り合ったフォロワーさんへ批評していただきました。

 

 批評の内容を見ますと、「この物語は、この人にとって、こんなふうに捉えられるのか!」と内心、驚いていました。

 

 自分の中で、物語というものは、一人一人の解釈があっても良いと考えており、そうであるべきだと考えています。でも、これは物語を深いところまで読み込み、物事を解釈する読解力がないと、恐らく出来る芸当ではないのです。

 

 

 橋本さんも上記のような形で、依頼した16万文字もの長編物語を丁寧に隅々までお読みいただき、全体のストーリー・構成、キャラクターの立ち位置、散りばめられた設定を踏まえつつ、どこが物語として弱いのか、どこに違和感があるのか、それらを的確に指摘しておりました。

 

 自分がちょっとでも弱いなと感じていたところ、もやもやとしていたところを言語化していただくことは、これまたなかなか難しいと思っています。

 

 私が思うに、他人を褒める行為や、弱点・改良点を指摘することは、言葉を選ばずに言うと、上から目線じゃないと成立しないのです。力が不足する人は、下から見上げる存在にしかなり得ないので、「すごい!」「素晴らしい!」と言った感じで、何も言えなくなると勝手に解釈しています。

 つまり、批評って、相応の洞察力(文章を読み込む技量、読解力、etcetc)と言語化する技量(語彙力、文章力、etcetc)がないと、なり得ないものだと考えており、物語を描くことよりも難しいんじゃないかなって、正直感じてます。

 

 一つの物語を描くことは、おそらく訓練すれば、誰にでもできるのです。そこには作者の芯なり、伝えたいことなりが、絶対にあるのですから。

 でも、その作者の芯を余すことなく汲み取り、作者が伝えたいことを自分の言葉へ派生して、きちんと変換・言語化して、批評するって、相当のエネルギーが必要なんじゃないかと個人的には思うわけです。

 

 なんだか批評の一般論的な話になってしまいましたが、橋本さんはその「洞察力」と「言語化する技量」を併せ持ち、かつ、作者へ寄り添えるような「心」を持った方なんだなと、感想の文章から感じ取れました。人の痛みがわかると言いますか。私は過去に死にたくなるほど世界を嫌悪し、ドロップアウトしかけた経験があるため、そのように思いました。

 

 橋本さんが提供する感想を書きに行く商売と言うのは、もっと誇ってもいいことだと考えています。こういった活動を地道に行う人たちが、もっと評価されてもいいのではないか。そのように私は思っております。

 

 ちなみに、批評って言葉を辞書で引いてみると、

『物事の是非・善悪・正邪などを指摘して、自分の評価を述べること。』

 とあります。

 

 感想は、

『物事について、心に感じたことや思ったこと。』

 とあります。

 

 私にとって橋本さんの活動は、「感想を書く」ではなく「批評をします」と言い切って良いのだと、勝手に宣言します。

 

 最後になりますが、私自身、批評なんて得意でも何でもないので、この記事を読んだあなたは「何言っているんだ、こいつ」と思ったかもしれません。

 しかし、あなたが描く物語に「何かが足りない。」「なんかもやもやする。」そんな気持ちがあり、それらを言語化するために、

 

「橋本さんへ物語を読んでいただくよう依頼することは、決して無駄ではない」

 

 と、私は強く思います。

 少し長くなりましたが、私が思ったことは以上です。

 

 

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 最後に私の物語を宣伝するよ★

 伝えたいことは詰め込んだつもりだよ★

 

 あらすじだよ★

 

 仙田夏雄(せんだなつお)は高校三年生の夏にして、ようやくスマートホンを手に入れた。LINEやYouTubeをインストールする中、ふと自分の将来のことを考える。

 

「これから先のことを深く考えるほど、自分は長く生きていない。かと言って、楽観視できるほど、子供でもない」

 

 友達にスマホを手に入れたことを教えようと画面を眺めていたら、一ノ瀬心晴(いちのせこはる)という見慣れない名前を目にする。心晴は小学生の頃、同じクラスだった女の子だった。アルバムを眺めていると、昔の記憶がよみがえり、夏雄は心晴と連絡を取り、LINEでのやりとりを始める。心晴は今、四国の離島、曲島(くましま)に住んでいた。メッセージを交換していると、夏雄は心晴に会いたいと思う気持ちが、日ましに高まっていく。

 

 そんな中、高校の学校祭で親友である藤堂秋(とうどうあき)が公開したYouTube動画『イノベーション』に夏雄は心を動かされる。この衝動を心晴と分かち合いたいと思った夏雄は、ちょうど仕事で広島出張へ行く父親にくっついて、北海道を飛び出し、曲島を向かった。

 

 アートの島・曲島にて、夏雄と心晴の記憶と想いが交錯する時、やがて夏雄は一人の高校生として、一人の人間として、成長していく。

 

 

 将来をどうするか悩める男子高校生が、小学生の頃、同じクラスだった女の子が住む離島に行き、バイトをしながら成長する、そんなお話。典型的なボーイ・ミーツ・ガール。

 

 ありきたりです。でもそんなありきたりに、メッセージをたくさん込めました。

 

 お時間のある方は、是非。 ↓

www.hinata-ma.com