言葉の煙霞

言葉は、無限の可能性を秘めている。

理系コンストラクション

理系コンストラクション 第1号 モーメントゼロ 第2号 非破壊レーザーに死角なし 第3号 不屈の座屈 理系コンストラクション 「構造こそは土木工学の母国語であり、土木工学というものは構造を通じて思考し自己を表現する絵師である」 舞台は北海道のとある…

あの海を越えても。

あの海を越えても。 神社で買った小さなお守りは、ひどく重かった。震える手で握り締めようとしたが、指に力が入らない。まるで磁石のような力に包まれているみたいだった。それとも、私の指が握り締めることを拒否しているのだろうか。 五百円玉のお釣りを…

2020年を振り返って。

『Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait. (人生において、人は何かをしなかったということ以外に後悔するものではない。)』 これ、私の好きな言葉の一つです。 フランス人作家のジャン・コクトーという方の言葉。 さて、今年はいろいろな…

理系コンストラクション【第3号 不屈の座屈②】

2.自分の証明 仄暗い講義室の片隅に、異国の街並みが表示される。森と湖の国フィンランド。ヘルシンキ駅前の様子だ。近未来的なシルエットの路面電車が映し出されている。緑色と黄色のツートーンカラー。首都ヘルシンキの伝統の色。 フィンランドはスカン…

理系コンストラクション【第3号 不屈の座屈①】

1.非効率の誰かさん 効率なんて、大嫌い。 例えば、早く家へ帰りたくて時間を短縮して掃除したとしても、友達からの不毛な会話で帰れなくなった時。夜遅くまで脇目もふらず課題を真面目に仕上げても、不真面目なクラスメートにノートの中身を見せなきゃい…

冬春夏、やがて秋に染まりし

恋吹雪(れんふぶき) 「浅はかでした。」 呟いた涙は戻らない。 今日も降り続ける。 あなたへと吹きすさぶ未練 冷たい恋慕。 会いに行くふりをして 傷つけた愛しさは なれの果て 拾い集めても 目に見えるのはぞんざいな愛の証 消えるように響く時雨の足音 …

コンタクトレンズ式彼女

俺は彼女を選べる。 昔から彼女に不自由しなかったし、まるでコンタクトレンズを交換するかのように、常に新しい出会いを欲していた。 付き合うってなんだろう。好きってなんだろう。 そんなことを少しだけ考えるお話です。 「あなたは『好き』を手入れして…

☆012.独身のままでもいいじゃない!

「知ってるか? 子供を三人産んだら、月に六万円もらえるかもしれないぞ」 金曜日、やや混雑した電車の中。つり革に掴まらず、扉に寄りかかっていてスマホで今日のニュースを読んでいると、高梨真一の耳にそんな声が届いた。視線だけちらりと横に向けると、…